この度、社会福祉法人長寿会の理事長を拝命いたしました、宮本と申します。震災後の困難な時期にお引き受けすることとなり、その責任の重さを痛感しております。
能登はいま、復旧・復興という大きな困難の中にあります。地域の皆さまの暮らしはなお厳しく、時間と労力を要する状況が続いております。被災された皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。
私たち長寿会は、これまで培ってきた地域との信頼関係を礎に、役職員一丸となって復興を支え、安心して暮らせる地域社会の再生に向けて尽力してまいります。そして、「誰一人取り残さない」福祉の実現を目指し、今だからこそ果たすべき役割があると強く感じております。
震災からの復旧・復興に向けた歩みを進める中で、本年5月、第三長寿園の敷地内に交流拠点施設「みつけカフェ」の整備をいたしました。
この施設は、仮設住宅に住む被災者の方々を支援するため、見守りや相談支援、交流の場として機能することを目的に設置いたしました。地域住民からの「気軽に集える場所がほしい」という声を受け、カフェなどの交流スペースやリハビリスペース、更には子どもが遊べる屋外遊具も設置し、心の安らぎとつながりを育む場となればと切に願っております。
復旧もまだ道半ばではありますが、皆さまの温かいご支援とご指導を賜りながら、共に未来を創っていけるよう全力を尽くす所存です。今後とも、変わらぬご理解とご協力をお願い申し上げ、就任のご挨拶とさせていただきます。
令和7年6月

交流施設 みつけカフェ前にて
- 理事長 宮本 秀男
これからちょっと先の未来、私たちが生き、作っていく社会はどうなっていくのでしょうか。
価値観、自然との関係、働き方。
世の中がめまぐるしく変化する中で、寄り添い変えていくべきこと、それでも変えられない大事なことがあるのだと感じます。
私たち長寿会がここで社会福祉に貢献し続けることは、例えば奥能登にとって、例えば日本にとって、どのような価値があるのか。
私たちは日々丁寧に走りながらも、この社会の未来に対して大きなまなざしを向け続けます。
これらの理念は、私たち長寿会一同が、この奥能登の地で福祉事業を行うにあたり、何よりも大切にしている3つの言葉です。
例えば、ご利用者様や一緒に働く仲間との日頃のコミュニケーション。例えば日々の暮らしや仕事の中で何か選択をする時。はたまた大きな経営判断を下す時にまで、私たちは常にこの基本理念を仰ぎ、指針としています。
誇りある数々の祭礼に見て取れる、歴史ある奥能登のライフスタイルは、常に自然との共生を図ってきました。この里山や里海が無ければ、私たちの生活や文化はありませんし、また、私たち人間の節度のある手入れがなければ、自然もまた保つことが出来ません。
そこには確かに尊厳・敬愛・協和があって、そんな心を大切にしたいと私たちは考えるのです。
これらの理念のもと、私たち長寿会は、ご利用者様の意思や気持ちを尊重し、敬い親しみのある、やさしさで溢れた介護を行っています。